あま市・法蔵寺 鉄造地蔵菩薩立像
種別 | Sculptures |
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詳細
法蔵寺は、愛知県あま市中橋にある、浄土宗西山派の寺院である。永照良慶によって永禄7(1564)年に創建されたと伝えられている。法蔵寺の本堂には、愛知県内で最も古い鉄地蔵(157.4㎝)が祀られている。鎌倉時代〔寛喜2(1230)年〕に制作された仏像で、重要文化財に指定されている。木型で鋳造されたと考えられており、鉄製だが全体的に柔らかな雰囲気を示している。剃髪した僧侶の姿で、髪際に、かすかに段差をあらわし、額に白毫孔を彫りくぼめ、首に三道相をあらわしている。耳朶は、右耳は貫通しているが、左耳は貫通していない。下半身に裙、上半身に偏衫と袈裟を着け、右手は与願印をあらわし、左手は胸前で掌を上にして宝珠をのせており、右手に錫杖をとらない、古式の地蔵菩薩像である。足元には雲があらわされ、雲に乗り来迎する地蔵菩薩の姿をあらわしている。右肩の後ろ側には陽鋳銘(「一切衆生成佛得道也/寛喜二年戌刁八月日/願主入蓮□白」)があり、入蓮という人物を願主として、鎌倉時代の寛喜2(1230)年にあらゆる衆生の成仏得道を祈って制作されたことが分かる。文暦2(1235)年に制作された稲沢市・長光寺の地蔵菩薩像よりも5年早く制作されており、愛知県内でもっとも古い鉄地蔵である。法蔵寺の地蔵菩薩像は、もとは同じあま市にある蓮華寺の奥院に安置されていたと伝えられている。永禄3(1560)年に蜂須賀小六が桶狭間の戦いの時に、この像に戦勝祈願をして、戦に持っていこうとしたが、重さのため、途中の中橋の地に安置したものを村人たちが祀り、法蔵寺が創建される際に寺に安置されることとなったと伝えられている。肌の部分には金箔が施されていますが、金箔が剥落した姿から、かつては皮膚病を治してくれる「瘡蓋(かさぶた)地蔵」として信仰され、現在は安産を祈願する子安地蔵としても信仰されている。 *現在マッピング機能の不調により、グーグルマップでの位置表示ができません。