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愛知県大治町・慈雲寺 松葉観音 木造十一面観音菩薩立像

日本語
種別 彫刻
員数 一軀
大きさ 94.2㎝
素材 ヒノキ材、寄木造
時代 室町時代後期
所在場所 愛知県海部郡大治町 慈雲寺
english
種別 Sculptures

詳細

愛知県海部郡大治町にある、臨済宗妙心寺派の寺院、慈雲寺の観音堂に、秘仏として祀られる十一面観音菩薩立像。「松葉観音」と呼ばれている。慈雲寺は、平安時代に祖安首座により創建され、室町時代の弘治2年(1556)に宗喜首座によって再建、現在の場所には、江戸時代の享保17年(1732)に移ってきたと伝えられている。観音堂に祀られる秘仏の十一面観音菩薩立像(高さ94.2㎝)は、普段は厨子の中に納められ、33年に一度開帳されます。室町時代の終わり頃に制作された仏像で、仏師・春日(かすが)の作と伝えられている。寄木造の技法でつくられ、目には玉眼が施されている。当初は、木肌をあらわす素地仕上げ(きじしあげ)であったと思われるが、現在は泥下地(どろしたじ)が表面に塗られ、黒っぽい色味を呈している。観音菩薩は、上半身に条帛、下半身に裙を着け、両肩から天衣をまとう姿で、蓮華座(れんげざ)の上に立っている。「十一面」の名の通り、頭上には、髻の上の仏面の他、菩薩面、瞋怒面、狗牙上出面があらわされている。暴悪大笑面にあたる顔は現状は確認できない。また、頭の正面には、観音菩薩のシンボルでもある、阿弥陀の化仏があらわされている。 右手は手の平を手前に向けて差し出す与願印をあらわし、左手は肘を曲げて蓮の入った水瓶を持つ。「松葉観音」は、地域に伝わる仏像として、長く大切に守られ、信仰を集めてきた仏像で、観音堂内にはこれまでの御開帳時の記念写真も残されています。令和2年4月、33年に一度の開帳年にあたり、観音像はその姿を再び人々の前にあらわした。慈雲寺の十一面観音菩薩立像は、松葉庄(まつばのしょう)と呼ばれたこの地域の歴史を伝える貴重な仏像である。

※2020年4月18日〜20日の3日間、特別開帳が行われ、お姿を直に拝見することができます。

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