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一宮市・妙興寺(開山堂)大照禅師坐像、大応国師坐像

日本語
指定 大照禅師坐像:一宮市指定文化財、大応国師坐像:重要文化財
種別 彫刻
員数 2躯
大きさ 大照禅師坐像:81.2㎝、大応国師坐像:79.8㎝
素材 針葉樹材(ヒノキかか)、寄木造
時代 大照禅師坐像:南北朝時代、大応国師坐像:鎌倉時代末
所在場所 一宮市大和町・妙興寺
english
種別 Sculptures

詳細

妙興寺の開山堂には、この寺の勧請開山と創建開山の肖像彫刻が祀られている。

妙興寺の創建開山、大照禅師坐像(一宮市指定文化財)は高さ81.2㎝。南北朝時代に制作された寄木造の像である。大照禅師は、椅子の上に結跏趺坐し、定印を結ぶ姿であらわされている。「大照禅師」とは妙興寺を建てた滅宗宗興の諡号である。

滅宗宗興は、鎌倉時代末期の延慶3年に現在の一宮市萩原町で、中島郡領主 中島蔵人の子息として生まれたと伝えられ、鎌倉・建長寺の大応国師に拝塔嗣法(はいとうしほう)して禅をおさめ、郷里に戻り、亡き父母の恩に報いるため、妙興寺を創建したとされる。この像は、滅宗宗興が永徳2年(1382)に73歳で亡くなった前後に制作されたと考えられている。

妙興寺の勧請開山・大応国師坐像(重要文化財)は、高さは79.8㎝。鎌倉時代末期に作られた寄木造の像である。大応国師は、椅子の上に結跏趺坐し、竹篦(しのへい)を持つ姿であらわされている。「大応国師」とは、鎌倉時代の高僧・南浦紹明の諡号である。南浦紹明は9年間中国に渡り、後に鎌倉の建長寺第13世となり、延慶元年に74歳で亡くなった。大応国師は、滅宗宗興が師事した高僧であることから、妙興寺には勧請開山として祀られており、本像は国内に伝わる禅僧の肖像彫刻の中でも極めて優れた造形がみられる。

禅宗寺院では、僧侶の肖像は「頂相(ちんそう/ちんぞう)」と呼ばれ、仏像とともに非常に大切な信仰対象とされている。頂相彫刻は、単なる肖像ではなく、その姿の中に高僧たちの深い精神性を的確に表現している。

開山堂に並んで安置される大照禅師像と大応国師像は、妙興寺に今なお受け継がれる教えの精神をその姿を通して伝え続けている。

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