千葉県・小松寺 不動明王立像(1)


指定 | 千倉町指定文化財 |
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種別 | 不動明王 |
員数 | 1軀 |
大きさ | 139.0㎝ |
素材 | 木造 |
時代 | 平安時代中期 |
所在場所 | 小松寺(千葉県南房総市) |


詳細
千葉県南房総市にある小松寺の本堂須弥檀上向かって右手に安置される不動明王立像。現状は秘仏・薬師如来立像を本尊とし、その右方に安置される毘沙門天立像と対に安置されているが、毘沙門天立像は別手の作品であり、当初から不動・毘沙門を両脇侍とする形式をとって制作された不動明王立像かどうかは分からない。制作年代は11世紀前半頃と考えられる。本像は平成11年に千葉市美術館で行われた特別展『房総の神と仏』に展示されているが、その後、平成12年1月から平成13年3月にかけて保存修理が行われ、その報告書もまとめられている[i]。一面二臂の姿で、右手に剣、左手に羂索を持ち、岩座の上に立つ。髪は直毛で頭に鉢巻状に冠帯(中心に三連菊座をあらわす花飾り、帯は列弁文+紐一条+連珠文+紐一条の構成からなる)をあらわし、髪を頭頂部に集めて蝶結び(8字形)にし、残りの髪を集めて左肩前に垂下する。垂下部には7箇所括り(各紐二条)をあらわし、先端は房状に垂らす。眉間に皺を寄せ、右眼は開き、左目は瞼を閉じる相貌をあわらす。口はへの字に結び右側に下向きの牙、左側に上向きの牙があらわされる。条帛、裙を身に着け、胸飾と臂釧(花型飾りを中心にあらわし、紐一条+連珠文+紐一条+列弁文の構成、リボン状の布をわたす)、腕釧(紐一条+連珠文+紐一条+列弁文の構成)をあらわす。
[i]長南文化研究室河本雅史編「諸尊像の修理報告書」(宗教法人小松寺、平成16年10月)
関連資料

