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名古屋市熱田区・観聴寺 鉄造地蔵菩薩立像(2体)

日本語
指定 愛知県指定文化財
種別 彫刻
員数 2軀
大きさ 152.7㎝(向かって右) 160.7㎝(向かって左)
素材 鋳鉄
時代 室町時代
所在場所 名古屋市熱田区・観聴寺
english
種別 Sculptures

詳細

名古屋市熱田区にある西山浄土宗の寺院・観聴寺に安置される2体の鉄地蔵。寺はもともと熱田区旗屋町にあったが、神宮公園の建設のため、昭和17年に現在の場所に移った。昭和20年には名古屋空襲の被害を受け、平安時代後期に造られた本尊・十一面観音菩薩立像は焼失、2体の鉄地蔵は幸いにも戦災を免れた。地蔵菩薩立像は1体が高さ152.7㎝、もう1体が160.7㎝。ともに愛知県指定文化財である。2体は旗屋町にあった地蔵堂に安置された像と伝えられている。2体は土型を原型にして造られたものと考えられており、像の表面を観察すると型を合わせた部分にできる鋳バリが確認できる。向かって右側の像の背面には銘文が残されており、享禄4年(1531)11月に道永と大脇新衛門という人物が発願し、上野太郎右衛門範家が鋳造を行った熱田地蔵であることが分かる。向かって左側の像は、右側の像よりは少し前に制作されたものと考えられており、この像は沢上城主尾頭次郎が飢饉や疫病から領民を救おうと願をかけ、自分の刀を芯に入れて鋳造したという伝承もある。ともに素朴な造形が印象的で、室町時代後期の庶民信仰の一面を垣間見ることができる。

 

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