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一宮市・妙興寺(勅使門・三門)三門楼上の仏像

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指定 勅使門:重要文化財、三門および楼上の仏像:一宮市指定文化財
員数 三門楼上の像は計21体
時代 三門楼上の像は江戸時代
所在場所 一宮市大和町・妙興寺
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詳細

妙興寺は、一宮市大和町にある臨済宗妙心寺派の寺院である。

妙興寺の伽藍は、勅使門、放生池、三門、仏殿を南北一線上に配置し、総門をやや東に寄せる形で、鎌倉時代の典型的な禅宗様配置といえる。妙興寺の創建当初の建物は、応永年間の火災でほとんどが焼失し、重要文化財に指定されている勅使門だけが創建期の建物として残されている。

勅使門は文和2年(1352)に、北朝の後光厳天皇の勅願によって建てられたもので、一宮市内では最も古い建造物である。勅使門は一間一戸四脚門、切妻屋根の型式で作られており、後光厳天皇から賜った「国中無双禅刹」の勅額がかけられている。

仏殿の前に建つ三門は、明治11年(1878)に再建されたものである。三門は、三間三戸楼門、入母屋造で、一宮市指定文化財です。楼上には、境内の他の場所から移されてきた江戸時代の仏像が安置され、21体の像はすべて一宮市指定文化財である。正面中央には、厨子に納められた釈迦如来坐像を中心に、獅子に乗る文殊菩薩坐像と白象に乗る普賢菩薩坐像が安置され、その左右には釈迦の弟子、迦葉と阿難が安置されている。その周囲には十六羅漢が安置されている。羅漢とは、すべての煩悩を消し去り、涅槃の境地に入った最高位の修行者たちをあらわしたもので、禅宗寺院では、しばしば釈迦三尊、迦葉・阿難とともに羅漢の群像が祀られる。羅漢たちは僧侶の姿であらわされ、それぞれに個性的な表現をみることができる。妙興寺三門の羅漢像は、境内にあった羅漢堂から移された可能性があり、これらの像には明治期の修理銘も見られる。

普段は立ち入ることのできない三門の楼上にも、寺院の歴史を伝える貴重な文化財が守り伝えられている。

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