worklist 作品一覧

東京都奥多摩町・将門山不動尊 伝三面不動尊立像

日本語
指定 奥多摩町指定文化財
種別 不動明王
員数 一軀
大きさ 167.6㎝
素材 ヒノキ材、寄木造
時代 鎌倉末〜南北朝時代
所在場所 東京都西多摩郡奥多摩町棚沢 将門山不動尊
english

詳細

将門神社の北側の山中に位置する「将門山不動尊」と呼ばれる一堂に安置される三面六臂の明王形尊像である。現在の堂宇を登った先に「古ふどう」という地名が残り、当初はこの場所に安置されたものが現在の場所におろされてきたと伝えられる。本面の左右に脇面をあらわす三面構成で、正面の一面は、眉間に皺を寄せ、両目を開き(やや右眼が小さい)、上歯で下唇を噛む忿怒相をあらわす。髪際やや上に紐一条に列弁をあらわす天冠台をつけ、頭髪は焔髪状に逆立て、左右にも焔髪をあらわす。左脇面は、眉間に皺を寄せ、両目を見開き、口をへの字に結んで忿怒相をあらわす。本面と同様に髪際やや上に紐一条に列弁をあらわす天冠台をつけ、頭髪は焔髪状に逆立て、左右にも焔髪をあらわす。右脇面は、左脇面とほぼ同じ造形か(穴があるため口の部分の正確な形状は不明)。各面の焔髪は本面の髪にまとまる形で処理されている。左脇面も右脇面も頸部を少し造形して本面に融合されており、耳はわずかに耳朶のみをあらわす。三道相をあらわす。着衣は上半身に条帛、下半身に裙をつける。各腕、各手首に帯状の臂釧と腕釧をつける。6本の腕のうち、本手は右手に三鈷剣を執り、左手は現状麻紐の束を握る(当初は羂索か)。脇手右手は上の手は三日月を掌にのせ、下の手は独鈷杵を握る。脇手左手は上の手は太陽を掌にのせ、下の手は金剛鈴を握る。光背は火焔光背をあらわし、台座は岩座をあらわす。台座前面部には"丸に変わり揚羽蝶"の紋があらわされている。また、 現在の堂には安政四年正月に不動尊に奉納された幟旗(2点)も残る。幟にはともに「奉献不動尊」と書かれており、その下に一方は「維旹安政四歳次丁巳正月大吉辰」、もう一方には「當所 願主 山宮勘兵衛 母満幾女」の文字が記されている。また双方に「御神徳」の印、「清川玉■(天)」、「源秀房(花押)」の落款が押されている。

関連資料

ページトップにもどる